~③~

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あの日から1ヶ月が経った。 今日は、会社の飲み会。 あたしは、慌ただしく仕事をしていた。 「谷澤さん、戸締りよろしくね!駅前のヒロカワだから。」 所長から言われ、あたしは返事を返した。 飲み会の開始時間まであと1時間。 みんな一旦、家に帰って着替えるらしい。 あたしは私服だからそのまま向かうことにした。 会社の電話が鳴った。 モニタを見ると“佐々木巧真携帯”と出ていた。 「お疲れ様です、谷澤です。」 『お疲れ様です。佐々木です。』 「どうしました?」 『まだ谷澤さん、居る?』 「はい、そろそろ戸締りしようかな?って。」 『じゃ、ちょっと待ってもらえるかな?』 「わかりました。」 受話器を置き、あたしは鏡の前へ急いだ。 髪型を直したり、お化粧を直したり、パタパタと動いていた。 電話を切って、だいたい10分くらいして佐々木さんは、事務所にやってきた。 「あった。あった。」 佐々木さんは、自分の机の引き出しを開けて喜んでいた。 「カギ?」 「そう、家の鍵だよ。今日から3日間、親がいないから。」 「大変ですね。」 「いや、大丈夫だよ。一人暮らししてたこともあるから。自炊できるから。」 「へぇ~。」 「あ、そろそろ戸締りして行こうか?車、乗って?」 「ありがとうございます。」 戸締りを2人で始めた。 「なんか雲行きが怪しいな。」 どんよりと黒い雲が増えてきた。 「もしかすると・・・」 と佐々木さんが言いかけた瞬間 大粒の雨が降り出した。 ゲリラ豪雨だー。
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