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その日の夜、僕のスマホに１件のメッセージが入ってきた。咲子ちゃんだ。あの件から僕は咲子ちゃんとは一言も口をきいていない。それだけに咲子ちゃんからの着信は意外だった。
「部活、サボってるんだって？」
「まぁ、色々あってね」
僕がそう返すと、間も無く再びスマホが震えた。
「チャンスを無駄にしたら許さないからね」
僕はどう返事をしたらいいのか分からず、そのままスマホの前で固まった。
「私、怒ってるの」
「どうして？」
僕がそう返すと、２件続けて返信が来た。
「典男君の裏では敗れ去ったり、そもそもチャンスすら貰えなかったりする人が山ほどいるの」
「失礼よ。そういう人達に」
「うるさいな。どう僕が権利を使おうと咲子ちゃんには関係ないだろ？」
「関係あるに決まってるじゃない！私は敗者なんだから！」
僕はメッセージを打つ手を止めた。咲子ちゃんのメッセージが続く。
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