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入社して、初めて任せて貰うことになった今日の商談。
勤め先のお菓子メーカーは、必死に就活をして内定を勝ち取った会社だ。
入社して丸1年、今年の春から、大手コンビニエンスストアへの営業を一人でさせて貰うことになった。ついこの間まで先輩の後をくっついて回り、取引先のスーパーやコンビニに自社の商品を置いてもらうよう交渉する術を学ぶ日々を過ごしていた私にも、ひとり立ちの時が来たのだ。最初の1ヶ月は、取引先に電話1本かけるのにもビクビクしていた。憧れて入った企業の一員として働けることはすごく幸せだったが、私のしたことで会社のイメージが落ちてしまったらどうしよう、なんて思うと一人でプレッシャーに襲われてしまう。だから今日の商談が決まった時には、できる限りの準備をして、絶対に成功させることを心に決めた。ここ1週間は夜遅くまで残業をして、過去の売上データを集め、商談用の資料を作成した。「あまり遅くなりすぎないようにね。」と言う先輩の声も聞き流しながら、消費者アンケートの結果を分析して、商品のアピール・ポイントを見つけにかかった。完成した資料は我ながら上出来だったし、確認をしてくれた上司からも「うん。見やすいし、数値データもうまく活かせてるよ。初めてなのに、良い資料が作れるもんだな。」とお墨付きを頂いた。商談当日である今日は、早く出社してプレゼンテーションの練習をする予定だった。きっと、これで大丈夫だ。一生懸命仕事に取り組むことで、こんなにも充実した気持ちになれるとは。
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