意識

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意識

「ああ……どうしよう」  昨日はあのまま逃げ帰ってしまったため、なにも事態は好転していない。  事実はどうあれ、結果を見れば私から告白して付き合うことになったようなもの。どんな態度で桐島君に声をかければいいのか、どういうふうに接すればいいのかわからない。  逆に、桐島君がベタベタしてきたらどうしよう。休み時間のたびに話しかけに来たり、昼休みに二人でお弁当を食べたり……楽しそうだな。  ダメダメ!変なこと考えちゃ!これはあくまで形だけの恋人関係なの。最低限仲良くはしても、必要以上にのめり込むのはダメ。好き同士じゃないとそんなことしたらダメだし、もし私だけ惹かれてしまったら関係が終わった時に辛いだけだ。  外靴から上履きに履き替えて、周りの人に気づかれないようにため息を吐く。変に動揺しないように冷静にいくのよ。  いつもより重たく感じる足取りのまま教室の前までたどり着き、勢いに任せて中に入る。 「優香ちゃんおはよう!」 「おはよ! 今日はいつもより遅いね」 「土岐さんおはよう」 「みんなおはよう。いつもよりちょっと起きるのが遅かったの」     
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