後編

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なんて口にした。 たぶん、彼なりの仕返しだったのだろう。 彼女には高校時代からの彼氏がいることは有名だったし、僕は僕でバイト先でいい雰囲気になっている人がいて。特別なものは何もなかった。 恥をかかされた自分、 引き合いのように出された僕の名前。 だから、こんな馬鹿げたことを言うのだろうとすぐさま理解。 そして、そういうことなら僕だってやり返してやろうと考えが巡った。 「あれ、そうなの?  あの子はN君のことが好きって言ってたけど。」 その後に起こった事は、ここには詳しく書かない。 何がどうなったのかを知りたい人は、 「1998年11月 鈴鹿 専門学校」でネットを検索するといい。きっとどこかに記事があるはず。 学校に警察の人が来て、 教室で話を聞かれたけれど、 僕はN君と彼女が叩き合った日のことを 喋っただけだ。 あの雨が降っていた日のことは 誰にも話はしていない。
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