後編

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後編

N君は夏休みが終わってから、とてもお喋りになって。しかも、なんだかとても勘違い。 口を開けば「俺はすごいモテる」「落とせない女はいない」なんて、言い続ける始末。 それが授業中もだったりしたから、先生たちも困ったみたいで、参ってきているご家族を呼び出して、週に一回くらい面談することに。 結局のところ「このまま通学させるのか」ってことの話し合いをしていて、家族からすれば足の悪い息子には何とか仕事につけるような資格を取らせて上げたくて、でも、実際のところ今のままではいけないことも分かっていて。 ただでさえ参ってきているのに、さらに参ってしまう方向に突き進んでいるなと、僕の目には映った。 夏休みが終わって、頭の悪かった女の子は何とか九九をマスターした。 彼女は僕に向かって、 「教え方、上手いなぁ。 教えてくれて、ものすごいありがとう。  やっぱり、頭のええ人は違うね。  最近、買い物する時にすごいしやすい。  全部、○○君のおかげやよ。  小学校の先生とかになったらえんちゃう?  絶対、向いてるよ。」 その年は残暑が厳しかった。
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