後編

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N君は早い時間に登校して、 学校の駐車場で大音量SPEED。 そして、駐車場から松葉杖をカツカツ言わせながら教室に。 別のクラスの子から、 「あの子、大丈夫?」って聞かれたけれど、 そんなのこっちが教えて欲しいよって僕は苦笑い。 「BODY&SOUL♪」ってぶつぶつと口ずさみながら、授業を受けるN君。そして、徐々に口ずさむってレベルじゃなくなっていって、もはや、熱唱に近い感じになった10月。 彼の歌声のせいで、先生の話が何一つ聞き取れない日が一週間くらい続いて。 僕は教科書があれば勉強はできるから、特にどうってことはなかったし、あと一週間もこの状況が続けばさすがにN君は学校に来れなくなるに違いないだろうってぼんやりと考えていた。 でも、彼女は違ったんだな。 ちゃんと勉強がしたくて、授業が受けれなくて困って。次の一週間が同じだったら…って想像が出来なかった。 たしか水曜日だったと思う。 お昼の休憩時間に誰も聞いていないのにべらべらと喋り続けるN君に彼女がつかつかと近づいていって、 「N君、うるさい。静かにして。  話、ぜんぜん面白ないし、  あたし、すごい困ってる。  せっかく○○君に教えてもらったのに、   
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