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どんどん分からんくなってくる。」
って可愛い顔で睨みつけるように言い放った。
N君はぽかんとした後、
少しぶるぶると震えて。
そして、彼女を引っ叩いた。
瞬間、彼女の逆襲。
すぐさまN君を同じ勢いで叩き返す。
N君は支えにしていた松葉杖を床に取り落としてしまって、地面にべちゃり。
彼は何かを怒鳴ろうとして、でも、言葉が出てこなくて、立ち上がろうと必死で。
でも、クラスの皆は誰も手を貸さない。
ようやく自力で立ち上がったN君は、ばたばたと教室を出た。
それから三日間、彼は学校を休んだ。
次に登校した時、N君のSPEED大音量は変わらなかったけれど、授業中に歌うことはしなかった。
そのかわり、自分のことを叩いた彼女をずっとにやにや笑いながら見ていた。
どうしてそういう状況になったのかは、はっきり覚えていない。
別教室への移動とかそういうことだとは思うけれど、僕とN君はたまたま二人きりになった。
細かなシチュエーションはおぼろげだけれど、
雨がざぁざぁと降っていたことだけは鮮明だ。
「○○君、あの子のことどう思う?」
にやにや笑いながら、彼はそう尋ねると続けて、
「あの子さ、○○君のことが好きらしいよ。」
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