夢

１章

準備をしていると、彼から返信があった。僕の送った文章はこうだ。

「今から会えるかい？」次が彼の返信。
「いいよ、場所はどうする」
「じゃあ、僕に任せてくれ。駅前のカフェで待ち合わせにしよう。車を出すよ」
「分かった」

　少しして、僕と彼は久しぶりに会うことになった。僕は彼に駆け寄る、彼は動かないでそれをじっと待っていた。そして受け入れてくれる。それが自然であるように、木が鳥たちを受け入れるように、彼は僕の場所を作ってくれていた。

　カフェで一服してから移動することになった。僕はコーヒーには何も入れないことを好んだが、彼は出来る限り甘くしてから飲むことが多かった。
　そうして過ごすことが、二人の時間で、空間だった。

「仕事はどうなんだい」彼は聞いた。
「どうもこうもない。僕は流れてくるデスクワークをこなしているだけだ。機械にだって簡単にできる。腹立たしいね」
「でも、その代わりに給料は高いだろう。俺よりは、少なくともね」