春の攻防

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仕事を覚えるのに必死な彼女だったが、俺はこの想いを持て余し、迫りまくってしまった。 好きだ、愛してる、付き合って、結婚して、俺の子供を産んで。 あと、言ってない言葉はなんだったろう。 社のホープと言われる俺からのアプローチに、初めはやっかんでいた女もいたようだった。 が、あまりの猛攻撃っぷりに、そんな女たちも引いていった。 俺だってこんなに熱くなるなんて思いもしなかった。 こいつ、誰だよって思うが、彼女を手に入れるまでは止まらない。 そして、彼女は陥落した。 『わかりました、ではお付きあいから。』 ああ、やっと、俺のモノになる! 愛しい晴海をギュッと抱き締め、俺の部屋に来てと耳元で囁いた。 『ん、、、ふっ、ん、、、。』 フアーストキスだという晴海に口付ける。 甘い。 彼女の口の中も、唾液も、漏れ出る声も、雰囲気も、何もかも甘い。 『ハア、苦しいです、手加減、して。』 うん、甘過ぎて手加減出来ないかも。 貪るように、口付ける。 腰砕けになってクッタリするので、ベッドにそっと横たえ、又、いっそう激しく口付ける。 真っ赤な彼女が息絶え絶えで、もの慣れてなくて、俺だけのモノだ、と独占欲を刺激される。 激しく口付けをしながら、柔らかな膨らみに手を這わせる。 ああ、ほど良い大きさだ。 俺の手に誂えた様に馴染む。 『ま、待って。 お願い、結婚までは、待って。』 息絶え絶えに懇願されてしまった。 うん、きっとそう言うと思ったよ。 そんな晴海だからこそ、俺は好きになったんだろうからね。 でも、ちょっとだけ味見しても良いかな? いきなり結婚初夜だと失敗するかも知れないから、ちょっとずつ馴らした方が良いと思うんだ。 『分かった。 晴海の気持ちを大事にするよ。 でも、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、ね? お願い。 愛してる、晴海。』 そう言って、俺は彼女の首筋に所有の印を付けた。 手は、ちゃっかりと下着の中に潜り込んで。 結婚入籍したのはそれから1ヶ月後の事だった。 仕事も結婚も早い男と、会社では言われている。
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