【嫌がらせ】

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「そっか今日図書当番だっけ?」 「うん。誰も利用しない放課後図書室で座ってるだけの仕事。暇なの~」 「居眠りしないようにね、バイバーイ。うわ、」 真由が教室を出ようとした時木村さんにぶつかった。マズい。なにか起きるんじゃないか。 「ごめんね!木村さん、わざとじゃなくて!」 「気を付けてよ。ったく」 よかった。ここで因縁つけられたらどうしようかと思ったよ。 大丈夫だった真由を見送り私は図書室へ向かった。 図書室には見事誰もいない。うちの学校は進学校でもなんでもない普通の学校だし、放課後ここで熱心に勉強する人なんていないのだ。 図書委員の私はカウンターに座って・・・座って・・・ 「暇すぎる~。ここは暇なの~」 ぼやくしかない。 その時ドアを開ける音がした。慌てて背筋を伸ばして座り直す。 入ってきたのは知らない女の先輩だった。私と目が合うと笑ってきたのでこちらも笑う。 「ぼやく図書委員に問題です。この世界に不要な命はあるでしょうか?」 「え?は?」 「答えてみてよ。ねえあると思う?」 「そりゃあ、ないでしょうね。要らない命なんてないですよ」 「あはは、だよねー。私三年の寿佳代子、あなたは?」 「一年の大森秋葉ですけど」 これが私と佳代子先輩が初めて会った時。
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