【力のない私】

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次の日教室に入ると雑巾入りの水をかけられた。そして笑い声が上がる。 私は1つため息をついて教室に入るのを諦めて更衣室でジャージに着替えた。 びしょ濡れの制服、明日までに乾くかな・・・。 一時間目サボっちゃおう。いいや、一時間と言わずに今日もすべてサボりだ。 昨日秋葉ちゃんが辛いか、悲しいか聞いてきたっけ。 最初は訳も分からず辛かった。でも今はため息しかないこの虐めという「遊び」濡れしまった鞄を引き寄せて中にアレがあるか確認する。 あった。というよりも忘れるはずがない。 「そろそろ・・・かな」 ポツリと呟いてからペンとノートを一枚破いて手紙を書いた。 宛名は「火曜にぼやく図書委員へ」手早く思っていることを書き続け折りたたんでジャージのポケットに入れた。 そして大きくため息をつくと天井を見上げる。 ずいぶんと古ぼけた天井だな。ロッカーもちゃんと扉が閉まらないのもあるし。 「ふ、ふふふ。あーあ、私何するつもりなんだろうね?」 面白く笑ったはずなのに頬には冷たい涙が零れている。 「ごめんね、秋葉ちゃん。タイムオーバーだ」
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