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【引き継ぐ命】
昼休み、木村さんグループが教室を出ていくのを確認してから私は真由の席に走った。
「今日は岩下さんなにもされなくってよかったよ」
「ああいうの、見てるだけで心痛いよね」
「それで私思ったことがってね・・・」
昨日佳代子先輩が今の私が岩下さんを救えなくても明日、明後日は分からないよと言ってくれたことを口にしようとしたとき誰かの大声が邪魔をした。
「ねえ!更衣室で先輩が死んでるって!!」
「えーー!?なにそれ!マジなの!?!?」
「先生たちがもう大慌てで3年の寿とかいう人!」
「ちょっと行ってみようよ!」
何人かが教室から走って出ていく。私はふらふらとして出ていった。
「ちょっと!まさか秋葉知り合いなの!?」
真由が遠くで何か言っている気がした。
廊下はお祭りみたいに人混みで溢れていた。みんながやがや騒いでる。
そうかこれは夢なんだ。お祭りの夢。
だって私の足、どこに行きたいのか教えていないのに動くなんておかしいよ。
そうだよね、佳代子先輩。これ夢ですよ、私とうとう図書室のカウンターで寝ちゃったんだ。
人混みをかき分けて進んだ。更衣室前には先生が立っていて中に入るなと大声で怒鳴っている。
「おい!ダメだと言ってるのが分からないのか!」
「・・・呼んでる、佳代子先輩の声がするの」
「なにを訳の分からないことを・・・!!お、おい!!」
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