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「あ~ウザイ、バイト前にテンション下がっちまった」
酷く不機嫌な顔つきで姉ちゃんはバイトへ出ていった。
姉ちゃんはバンギャやってて、お目当てのバンドのライブに行ったり
バンドのメンバーに貢ぐのにバイトしている。
バイトの金は殆どそれに消えて行ってるみたいだ。
そしてかなりのヘビースモーカーだ。
自分の部屋のドアを開け、なんだかすごく疲れてしまったオレは鞄を
投げ出して、じめっと湿った万年床の布団に倒れ込んだ。
今日、古寺のトイレでみたあれは一体なんだったんだろう?
心霊現象?
宇宙人?
一体だれなんだ?
確か力が欲しいのかって言ってたよな。
「オレは力が欲しい」
「力をくれぃーーーー」
オレは叫びながら万年床の上をゴロゴロ回転した。
「ワシ呼んだ?」
背後から誰かの声が聞こえた。
誰だ?
テレビか?
「そやから、呼んだかって聞いてるんや」
驚いて、”はっ”と体を起こすと、そこには
ジャラジャラとした鎖をつけて、トゲトゲなスタッズの革ジャンの
古いパンクファッションに身をつつんだ
刈り上げモヒカンなにーちゃんがいた。
耳には大きなピアスがぶら下がっている。てか耳デカッ!
正確にいうとハンパない後光がさしているので、人外だとわかる。
そいで誰?
「あのーあなた様はどちら様ですか」
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