【パンクな神のお仕事】

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 オレは目の前の時代遅れの”そのヒト”におそるおそる尋ねた。 にーちゃんは強面の外見からは全く想像できないやわらかな関西弁で 話し始めた。 「ワシはなウスサマ明王っていいますねん。あんたがワシのテリトリーの 寺の便所で嘆き悲しんでるから、かわいそうになってここにやって きたんやで」 ”ウスサマミョウオウ”ってなんだよ? それよりなんで関西弁なんだよ。ウケル。 神様か?仏様か?それにしてはなんでパンクなんだろ? 「ああ、これかいな、(かわや)に落ちてた雑誌に載ってたんやけど、おかしいか? 人間の恰好はようわからんわ」  神様、なんでオレの考え読んでンの? あっと、気が付いて。オレは吹き出しそうになった。 そういえば便所の床に古いエロ本と昔のロック雑誌が落ちてた気がする。 だからかーーーー!!マジウケる。チョーウケる。 いや、笑ってはいけない。まがりなりにも神様だから、きっとオレを 救ってくれるはずだ。 「そやで」 「ワシはすべてを浄化する仏や。あんたが厠で助けていうから やってきたのに」  そう言って神様仏様はぐるりとオレの部屋を見回した。 「この部屋汚なすぎるわ~ちょっとは片付けなあかんで~ ワシな、汚いのきらいやねん」 「そわか」 そう言って関西弁のパンクな神はなにやら手をごそごそやって     
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