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「あらまぁ~」
母ちゃんは痩せて嬉しかったのか、くるくると喜びの舞いを踊りだした。
その後、神様はおんぼろ一軒家の家を
まるでテレビの匠のように、見事に指先ひとつでダウン
……じゃなくて人間も含めてリフォームしたのだった。
オレの脳内BGМに匠のテーマ曲が流れた。
すると突然”バタン”と大きな音がして、忘れ物を取りに帰った
姉ちゃんと、財布を取りに戻ったオヤジが血相変えて飛び込んできた。
二人共血走った目でオレに詰め寄る。
「ちょっと、なにこれ、どうなってんの!!」
「おい、なんだこれは、お前一体どうなってんだ!!」
まくしたてる姉ちゃんとオヤジに向かって神様がまた呪文を唱えた。
すると、
手入れの悪いバサバサの茶髪で、
Tシャツから推しの名前のタトゥーとヘソピーをのぞかせた、
濃いメイクの姉ちゃんは
艶のある黒髪ロングのふんわりとしたワンピースの清楚美人に変身した。
くたびれた中年のヒゲオヤジは、こ洒落た清潔感ただよう
ナイスミドルに大変身した。
「うごっ……」
オレはさすがにあいた口がふさがらなかった。
「どうしたの、タケシちゃん、なにかおかしいかな」
姉ちゃんはさらさらとした髪をシャンプーのCMのように流しながら、
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