4人が本棚に入れています
本棚に追加
mixing 第1章
山に囲まれた小さな田舎街。
これといって名物も観光名所もない、静かな街。
住宅の立ち並ぶ道路の角に、真っ白な漆喰風の壁の建物がひっそりと佇んでいる。
入り口のドアの上に、ひときわ目立つアルミで作られた看板が、青白い光をはなっている。
「After eve」
それだけ、描かれた看板。
シンプル?というか、素っ気ないだけのお店。
ただ… 何故か素っ気ない店に反して、いい香りが…。
パン??
パン屋さん?ケーキ屋さん?
地方のスナックに、ありそうな黒っぽい地味な扉を開けてみる。
匂いとは関係ない物が、まず目に飛び込んだ。
…革の鞄。
ん? 戸惑ったの一瞬だけだった。
何気なく並べられた、革のバッグ。革の財布。革の小物。その先に、やはり香ばしい匂いの物が並んでた。
いい色に焼きあがっているパンがアンティーク調のダイニングテーブルに、並んでる。
何故、パン屋さんなのに革製品が入り口近くにあるのか…
んんっ?
1番奥に何やら道具やら機械らしきもの。
パン屋さんだけでは、ないのか?
革製品も作ってる店なのか?
最初のコメントを投稿しよう!