mixing 第1章

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mixing 第1章

山に囲まれた小さな田舎街。 これといって名物も観光名所もない、静かな街。 住宅の立ち並ぶ道路の角に、真っ白な漆喰風の壁の建物がひっそりと佇んでいる。 入り口のドアの上に、ひときわ目立つアルミで作られた看板が、青白い光をはなっている。 「After eve」 それだけ、描かれた看板。 シンプル?というか、素っ気ないだけのお店。 ただ… 何故か素っ気ない店に反して、いい香りが…。 パン?? パン屋さん?ケーキ屋さん? 地方のスナックに、ありそうな黒っぽい地味な扉を開けてみる。 匂いとは関係ない物が、まず目に飛び込んだ。 …革の鞄。 ん? 戸惑ったの一瞬だけだった。 何気なく並べられた、革のバッグ。革の財布。革の小物。その先に、やはり香ばしい匂いの物が並んでた。 いい色に焼きあがっているパンがアンティーク調のダイニングテーブルに、並んでる。 何故、パン屋さんなのに革製品が入り口近くにあるのか… んんっ? 1番奥に何やら道具やら機械らしきもの。 パン屋さんだけでは、ないのか? 革製品も作ってる店なのか?     
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