「後悔」

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「あのね……ずっとね、言えなかったんだけどね?アキラの事」 はっと目を覚まして今まで見ていたのが夢だった事に気がつく。 「夢の中でも結局言えなかったな……」 ぽつりと私の口から零れた言葉は外から聞こえる小学生の笑い声でかき消された。 「さて、準備しないとね」 頬をパチンと叩いて気合いを入れると緑のドレスに着替える。 「後は予約しておいた美容院と花屋に行かないとね」 携帯で時間を確認しながら化粧をしていく。 「いけない、早く行かないと」 いつもよりも少しだけちゃんとした化粧をしていると美容院の予約の時間が迫っていた。 「いそげいそげー」 コートを着てヒールを履き鞄を持って家を出る。 「いってきまーす」 ヒールの音をカツカツと鳴らしながら道を駆けていく。 「いらっしゃいませー」 「10時に予約してた中坂です」 息を整えてから美容院に入るとすぐに案内して貰えた。 「今日は友達の結婚式なんです」 「なるほど、じゃあ急がないとですね!」 そう言ってテキパキと髪の毛をアレンジしていく美容師さん。 「中坂さん、できましたよ」 「え、あ……すいません寝てたみたいです」 肩を叩かれて目を覚ますと綺麗にセットされた髪に驚く。 「わぁ、すごい」 「気に入っていただけましたか?」 「はい!とっても」 美容師さんにお礼を言ってお金を払う。 「ありがとうございましたー」 美容院を出て駅の花屋へ向かう。 「すいません、中坂ですけど」 「あぁ、花束できてますよ」 花束を受け取って花屋さんにお礼を言う。 「さて、と……」 一つため息をはいてからタクシー乗り場に向かう。 「ちょっと急いでください」 「はいよー」 運転手さんにお願いして飛ばしてもらう。 「あ、亜湖ー!」 「ギリギリセーフ!」 到着した私に駆け寄ってきた今日の主役に笑ってVサインをする。 「もう!ほんとギリギリだよー」 「ごめんごめん!これあげる!」 渡したのは純白の花束。 「わぁ、白いバラ?綺麗で可愛いー!」 「でしょ?結婚おめでと!」 キラキラとした目で喜ぶ花嫁に微笑む。 「ほらほら、旦那さんのところに早く行かないと!」 「大事な親友のことを待ってたんでしょ!んもー」 ブツブツと呟きながら控え室に行く私の親友を見送る。 「親友……か」 ぽつりと呟き別の友達の方へ行く。
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