苗木さんは、わかってほしい

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 あたしと雨水が図書室で出会ってから、もう一月ほど頻繁にその逢瀬を続けている。相変わらず心理テストをしたり、くだらねーことを駄弁ったり。  SNSのIDも交換して、こうして毎日のようにメッセージのやり取りもしている。あたしにとってその毎日はとても楽しかった。いつからだろうな、やっぱあいつの想いを聞いたあの日からかな。  そう、あたしは自分の気持ちに気づいていた。  雨水のことが好きなんだと、しっかりと確信していた。そして雨水だってきっと――あたしは顔を火照らせる。  しばらくして、 『青色から連想する異性の名前を挙げてください』  雨水の、バカ。  これ、あたしだって知ってるような、すげぇ有名なやつじゃねぇかよ。  だからあたしは素直に答える。あたしの気持ちをその心理テストにのせて真剣に応える。 『雨水。青は雨水だ』 『そうなんだ。僕も青は苗木さんだったよ』 『そうか。それで、それは何が分かるんだ?』 『その人をどういう対象と考えているか、だよ』 『それで青はなんだ』  既読がついたのに返信はなかなか来なかった。やがて十分ほど経ち、ようやく返ってくる。 『恋人』  「~~~~~っ!」あたしはベッドの上で身悶えた。ゴロゴロと何度も転がり、バタバタと何回も足を跳ねさせた。     
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