ゴーヤチャンプルー

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 そう言ってドアを大きく開き、ここから出るように促す。二人は顔を見合わせ、とりあえず言われるままにこの狭苦しい部屋をあとにした。  部屋を出るとそこは倉庫のような場所で、ガランとしている。ほこりっぽい臭いとカビの臭いがした。さっきの部屋よりは幾分明るいが、それでもやっぱり暗かった。所狭しと段ボールが積み上げられており、中に何があるのかは想像もつかない。 「たこ焼き食べる? ダイアナちゃんの好きな、ゴーヤチャンプルーもあるよ!」  件の残り二人のハゲ男も現れ、皆おどおどしながらも笑顔で振る舞っている。  田舎の公民館にしまってありそうな長いテーブルの上に、いくらか料理が用意してあった。容器から察するにどこかのスーパーで買ってきたもののようだ、割り箸も置いてある。座るように勧められたが二人はそうしなかった。 「その前に、写真データを返してちょうだい。もう二度とあんなことしないと約束しなさい。それからタカヒロに謝って。話はそれからよ、わかるでしょ?」  ダイアナは毅然とした態度でそう言った。ハゲ男三人は顔を見合わせると、一人が床に置いてあった大きなバッグからUSBメモリを取り出し、彼女に渡した。それから彼らはダイアナと貴紘の前にひざまづくと、床に頭をつけて謝罪した。     
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