焼きうどん

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「Hey ボーイ私の話聞いてた? 未成年には売ってもらえないのよ」 「でもこの中で俺が一番身長高いし成人の容姿に近い」 「たぶん……どう見ても小学生だよ」 「……一応行ってくる」  貴絋はダイアナの手から味醂を取り上げると、買い物かごに入れた。その上から隠すようにうどんを置いて、無駄な抵抗も忘れない。 「タカヒロ……私のために……」  今度は違う意味での涙が溢れそうなダイアナだった。  光一とダイアナは怪しまれないように、先にサッカー台の方へ回る。緊張しながら、レジに並ぶ貴絋を見守り続けた。 「ねえスヌーピー。聞きたいことがあるの」  ダイアナは光一に向かって言った。 「僕の名前 光一だけど……」 「……失礼、コーイチ。その、つまり……タカヒロの好きなタイプって知ってる? ああ違うの、私達一応付き合ってはいるんだけど……私が彼を好きなレベルと、彼の私に対する好意が違って見えるから。一応、彼の理想に近づく努力をしようと思って……だって私、彼のこと、とうとう本気になっちまったのよ」 「えっ! 二人は付き合ってたの!?」     
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