アイスクリーム

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「彼は犬派です。僕の見解によると犬派か猫派かと言うのはその人の異性に求めるスタンスを表しています。猫が好きな人は気まぐれで自由な人を。犬が好きな人は誠実で一途な人を好む傾向にあります。(諸説あり)ちなみに僕は猫派です」 「私も猫派よ! 当たってるわね!」 「そして最後、彼の女性の好みをピンポイントまで絞った結果……恐るべき真実が露呈されました。これを言うのは誠に心苦しい……だけど言います。彼は年上女性萌えです」  それを聞いたダイアナは衝撃のあまり、持っていた筆箱を床に落とし、その中身をすべてぶちまけてしまった。 「なんてこと……あぁ神よ……」 「じゃあ僕戻るね」  光一は何食わぬ顔で、その場を後にした。  □ 「次の授業なんだっけ?」  女子が全員出ていった教室で、貴絋は光一に声をかけた。 「体育だよ。今日は外でサッカーするんだ」  貴絋は面倒そうに体操着に着替え始める。彼が着替えるのにおよそ20秒もかからなかった。 「トイレいってくる。先行くわ」  そう言って、先に教室を出た。光一は苦手な体育、しかもサッカーを思うと憂鬱になり、のろのろと着替えた。  貴絋が男子トイレで用を足している最中、頭にララの声が響く。 『ねえねえ、サッカー私もやってみたい』  その声に貴絋は総毛立った。 「今出てくんなッ!!」 『なに? あ、トイレか、ゴメンゴメン……』 「お、おま……バカなんじゃねえの!?」     
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