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食パン
「何!? 」
そこにいる全員が自分の目を疑った。ダイアナはゴール前まで凄まじい勢いで駆け抜けると、その場でボールを上空に蹴りあげ、自分も高く飛び上がった。
「シャイニング・エターナルラブシュートッ!!」
彼女は空中で半回転すると、頭を下にした状態でそのボールを思い切り蹴った。
「オーバーヘッドだと!?」
明吉は度肝を抜かれた。サッカー歴4年の自分でさえまだ成功したことがないのに。
さてボールは勢いを無くすどころか、ダイアナの恐るべきキック力により時空を歪ませるほどのパワーを得た。あまりの衝撃にボールの両脇にはハリケーンが生まれる。向かって右がジェニファーで左がスーザンである。
目も満足に開けられぬほどの風圧の中、貴絋の野生の勘が告げる。これヤバイやつだと。
しかし、これから逃げるという選択肢はなかった。女のシュートを止められないとなれば男の沽券に関わる。
俺はどうなってもいい、だから必ずこのボールを止める。もし止められなければ、そのときは俺の社会的な死だ。
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