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必要以上に大きな声でダイアナが追いかけてくる。体は小さいくせに声と態度は異常にでかい。
「別にしてねーよ……俺、こっちだからじゃーな」
「送ってくれないの!? また私が輩に襲われてもいいっていうの?」
「は!? さっきのファンの人なんだろ」
「いいから家まで送ってちょうだい。お茶くらい出すわ!」
「寄り道すんなって言われたろ!」
「teacherの言うことを素直に聞くタカヒロではござらんでしょうよ!? あなたの好きなパンケーキを作ってあげるから」
『行くわよッ!!』
「お前は黙ってろ!」
パンケーキという言葉に釣られて出てきたララの叫びに思わず強く叱責してしまった。
「えっなに!?」
驚いたダイアナは目を丸くして貴紘の顔を見つめる。
「あ……こっちの話」
数分後、結局彼女の家に連れてこられた貴絋は、想定外の事態にとても驚く。
「お前んちクソ金持ちじゃん……」
「そう? 誰もいないから遠慮しなくていいわよ!」
マンションが立ち並ぶこの地区で、これだけの広さの一戸建てを貴絋は今までに見たことがなかった。なんなら庭にプールまでついている。
「真夏になったら屋上でビアガーデンするの」
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