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光一は真面目な顔で貴絋に問いかけた。
「誰それ」
「これはね、僕が独自に開発した物なんだ。まぁこっくりさんみたいな物だよ。二人じゃないと出来ないんだ。やるなら君とって決めてた」
この台詞を僅か四秒で言い切る。
――だから、こっくりさんって何なんだよ。
貴絋の目は点になった。
「初めて君を見たときから何か他の人とは違うなって思ったんだよね。そこから機をうかがっていたのさ。僕はね、常人に見えないオーラを感じとることが出来るんだ。これは僕の先祖代々から伝わる特殊能力なんだ。まあこの話はまた次の機会に……とにかく普通の人のオーラは大抵原色の赤、青、黄なんだよね。だけど君は違う。紫だよ。紫! 紫ってのはね……」
コイツ患ってんな。貴絋はただそう思った。
「と、いうわけなんだよ。理解してくれた?」
「お前がイカれたオカルト野郎だったってことはよくわかったよ」
なぜか嬉しそうな顔で満足げにしている光一が怖かった。違う、誉めてない。
「じゃあやろう、手をかして。簡単な儀式だから」
「やだよバカ! 気味悪いんだよお前」
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