サンマ

7/7
前へ
/389ページ
次へ
「あそこでなんかとびきり怖い思いでもしたんじゃ……そのショックで?」 「そういったのは僕の管轄です」  光一は中指でメガネの位置を直す。 「いやお前メガネしてねーじゃん……」  あとで、花枝先生に報告しないとな。  明吉はぼんやりと考えながら、皆のプリントを集めて教壇に置いた。  教室を見渡してみる。全員漢字をやり終えて友達同士でお喋りしたり、騒いでみたりと楽しそうな笑い声があちこちから沸いている。  この中に、さっきの松葉の言葉に動かされた奴はどれくらいいるんだろう?  明吉はそんなことを思いながら、光一と、貴絋の空席を眺めた。
/389ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加