オムライス(焦)

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「今日はどこにいってたの? お昼ちゃんと食べた?」 「学校のやつと博物館いった。昼もそいつと食べた」  真織は貴絋の話を聞いて安心した。ちゃんと友達がいることを知れた。それも、休日に約束して遊びに行く程仲がいいことにも。  貴絋の目の前にはお世辞にも綺麗だと言えないオムライス(のようなもの)が用意されていた。昼に食べたものとまるで違う食べ物に見える。 「どんなお友達なの?」 「まあ……割と変なやつ」 「そっかぁ、面白い子なのね」  真織はますます喜んだ。今日はなぜか貴絋の機嫌が良い。話を振っても嫌がらずにちゃんと答えてくれる。こんなことは滅多にないのだ。しかし調子に乗って深く追求していけば鬱陶しがられるし、見極めが肝心なところ。 「お友だちと博物館で何を見たの?」 「恐竜の化石とか色々……」  貴絋は貴絋で、今日はやけに饒舌な真織を不思議に思うも、光一との事を聞かれるのはまんざらでもなかった。 「ああ! 貴くん昔から恐竜好きだよねぇ。でも最近やってるゲームでは恐竜をバッサバッサとやっつけてるよね! 恐竜を愛する者としてそれはどうなの?」 「違う……あれは保護してんだ。暴れるから弱らせてるだけだ」     
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