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「初対面じゃないわ! 先日カフェで会ったでしょ!? あなたはパンケーキを食べ、私はライブ配信してたじゃない!」
貴絋の机をバシバシと叩きながら、その少女は説明する。貴絋は彼女のあまりの剣幕に、目が点になった。
パンケーキ? カフェで? ライブ配信……?
身に覚えのない言葉たちばかりだ。貴絋はやっとのことで口を開く。
「……言ってることの意味が全くわかんない」
「さすがタカヒロ、Coolみが高い……だけど私だけが知るその素顔、プライスレス。……Sorry。わかったわ。あのときのことは他言無用ってことね、OK。良かったらこれを食べなさい」
そういって可愛くラッピングしてある謎の物体を貴絋の机に残し、自分の席へと去っていった。
光一に視線で訴えかけると、彼はこう答えてくれた。
「神森ダイアナ央子さんだよ。今をときめく大人気ユーチューバー。推定年収三億円、座右の銘は『神と和解せよ』。FBIと侍のハーフなんだ」
「ツッコミが追い付かねーよ」
その後しばらくの間、席に付いたダイアナは女子の群れに囲まれていた。キャーキャーと楽しそうな歓声が上がっている。
「君がよく休んでた時期に編入してきたよ。アメリカ帰りなんだって」
「……アメリカ? 病院の間違いだろ」
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