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勘違いする人たち
バスは無事に学校に戻り、校庭で点呼をとったあとそのまま解散となった。
貴絋は家に帰ろうとすぐに立ち上がる。早くあの女の声を問い詰めなくてはならない。しかし、その腕をつかむ者があった。
「タカヒロ! さぁ話して、私は逃げも隠れもしないわ」
神森ダイアナ央子だった。次いで、回りの特に女子からの視線を強く感じる。貴絋はこの状況に困惑したが、とにかく今は早く帰らなければならない。
「離せ。俺急いで帰ってやらなきゃならないことがあるんだから」
予想外の言葉にダイアナは目を見開く。
(土壇場で照れるの!? まぁそうね、Japaneseのboyはシャイなんだものね。ここは私がリードしてあげないと。)
「言いたいことはわかってるわ、私だって同じだもの」
(そう。あなたと私は同じ気持ちなのよ)
一方貴紘は、彼女の不可解な言葉に眉を寄せる。
(ん? 同じって?)
「えっ。……は!? ……お前もなの!?」
(ババアの霊にとり憑かれてんの!?)
「そうよ。あなたと同じ」
「えっ……それ、いつから?」
(マジかよ。流行ってんのかな。小学生にとり憑くのが……ババア霊界で)
「このクラスに編入してからよ、決まってるじゃない」
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