勘違いする人たち

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(ってことは四月からか。俺がヘンになったのもその時からだ……。) 「……お前寺とか行ったの?」 (徐霊しに。) 「寺?」 (ああ、縁結びの願掛けってことね。) 「寺は行ってないわ! 私の魅力をもってすれば造作もないことよ、それはあなたが一番わかってるでしょ?」 「いやわかんねーけど。お前これからどうするつもり」 「どうってそれは……付き合う……んじゃないの?」 「覚悟決めたんかよ!」 (一生付き合う覚悟! スゲーな! 俺は嫌だ!) 「そんな……大げさだわ。まさか、け、結婚するわけじゃあるまいし」 「いや結婚みたいなもんだろ。常に一緒なんだから。さすがYouTuber は違う」 (えっ!? タカヒロ、もうそんな先の事まで考えて!?) 「そんな! これは二人だけの問題だもの。YouTuber とか関係ないし……もちろん動画にはしないつもりよ」 (こいつ、なに霊と信頼関係築いてんだよ。) 「意外とちゃんとしてんだな……」 「で、タカヒロ。結局どうなの? その、付き合うって事で、……いいのかしら?」 「どうも何もお前がそう決めたんならそれでいいんじゃん」  事も無げにそう言った貴絋の冷たい視線を受けて、ダイアナの胸はうち震えた。 (Justice!) 「じゃあ俺、急ぐから」     
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