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「どうして……わたしばっかり! ……もうイヤ」
私はどうしていつも上手くいかないんだろう。私ばかり。私の周り、ばっかり。
等しい幸せなんて、絶対にない。そんなものがあるなら、私も……彼もきっと幸せだ。
私は小さいときから人と馴染めなかった。
……馴染もうとしなかった。だってみんな、嘘つきだらけだから。笑顔で話してても実は相手のことを嫌いだったり。親友といってても、実際は裏で悪口を言ってたり。
だから私は……『人間なんて大嫌い』
こんなこと言ったらハブられるのは目に見えてるから言わないけど。
でも……1度だけそんなことを言ったとき、笑って受け止めてくれた人がいた。
たった、1人だけ。でも今は、離ればなれになってしまった、だから次会えるかわからない。その人の名前は黒崎潤という男の子だった。
彼はきっと、約束のことを覚えていて、守れなかったことを責めてると思う。私が、嘘つき扱いしたから。だからもう一度会えたら……謝って、あの時みたいに……
それにしても明日から新しい学校か。いやだなぁ。新しい学校は………『桜ヶ咲高校』か。
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