2、時計

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 ありえなくはないかと笑い合う。そう言えば過去にも何度か隆司と持ち物が被ったことがある。やはり兄弟というものはそれがたとえ義兄弟だとしても似てくるものなのだろうか。 「ところで、今日泊ってく?」 「いや、明日も早いからな、帰るよ」 「そう」  がんばってねという隆司の労いを受け、一宮は椅子を引く。なんとなく、もう一度目を向けた掛け時計は、午後十一時丁度を指していた。
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