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元気な声とともに生徒達が散って行くのを見送り、藤堂先生はこの学校の教師達の唯一の制服とも言える白衣を取りに、自分のロッカーへと向かう。
朝練に関しては、自ら動いて指導はしないので生徒達のようにシャワーを使う必要もない。
(ホームルームまでは職員室でのんびりしてようっと)
そう思いながらロッカーを開けた藤堂先生は、目の前に貼られている紙に一瞬、驚く。
朝練前にはこんな物はなかったはずだ。
だが、藤堂先生はその紙に書かれている内容を読んでさらに驚かされることになる。
『会議室に集合せよ!』
この短い一文で、それが学年主任の近藤先生の残した物だと気づいた藤堂先生は慌ててカレンダーで曜日を確認し、少しふて腐れたように言った。
「なんで? 今日って金曜日でしょ!」
藤堂先生がそう言うのも無理はない。
誠陵學校では職員会議があるのは基本的には月曜から水曜までと決まっている。
さらに面倒なことに、その会議のある日は近藤主任の案により白衣の下にはネクタイ着用が義務付けられているため、先生達は月曜から水曜はワイシャツ姿……木曜と金曜は自由な服装となっていた。
体育教師である藤堂先生は、必然的に自由な服装の日はジャージ姿になるため、今日はワイシャツやネクタイなどを用意していなかった。
金曜日だから私服で来た。
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