沖田秀一先生の朝

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沖田秀一先生の朝

 斎藤先生がやっと起き出した一方で、こちらはすでに自宅のパソコンを立ち上げている青年がいた。  長めの前髪が邪魔にならないようにゴムで結わき、パソコンを見つめているのは藤堂先生や斎藤先生と同期の誠陵學校・科学担当の沖田秀一(オキタシュウイチ)先生、二十五歳だ。  邪魔になるなら切ればいいと思うのだが、無造作に結わってあるその前髪は年齢の割にはとても可愛らしく、どこか幼さを残す沖田先生の顔に合っている。  彼の職場が年下の学生ばかりの学校という場でなければ、きっと年上の女性から可愛がられているタイプだろう。  そんな彼は今、別にパソコンを使って熱心に仕事をしているわけではなく、コンビニで買った朝食のメロンパンを食べながら、熱心に趣味のネットゲームをしているのだった。  今日は金曜日で週末なため、今夜は遅くまで仲間内で集まることに(ネットの中でだが)なりそうな予感がする。  そのために今から一人でレベルをあげて準備をしているのだった。  パソコンでのネットゲームは不特定多数の人とチャットを通して交流がもてる。     
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