沖田秀一先生の朝

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 そこに追い打ちをかけるかのように、沖田先生は横に置いてあった黒縁眼鏡をかける。今さらながらにかけたその眼鏡には当然、度なんて入っていない。  完全な変装用のアイテムだがその効果は抜群で、これで表を歩いたとして、長めの黒い前髪に冴えない黒縁眼鏡で隠された沖田先生の素顔を気にする者はいないだろう。 「ワイシャツに着替えないとなぁ」      そう言いながら今度は携帯ゲーム機の充電を始め、イスから立ち上がった沖田先生は、どこか妖艶な笑みを浮かべていた。
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