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天斗は私の上に乗ると、私の両手首を組み伏せる。彼の膝が私の股を割った。恥ずかしい部分をこじ開けるように、彼自身が私の中に入ってくる
景色が回転している。空も渦を巻いている。背中の下にある岩が、ゼリー状に溶け、私の体はその中に沈み込んでいった
…………
目を瞑り浮かんだ風景は、記憶の奥底に眠る建物の形に似ていた。傾きかけた日に照らされ、壁面の模様がくっきりと浮かび上がっている
壁面には幾何学模様の間に、獣や昆虫など、様々な生き物のレリーフが彫られていた
近づくと、建物がそれほど大きくないことが分かる。よくある学校の体育館の、半分くらいの大きさだろうか。正面には、濃い茶色の扉があった
私は扉に駆け寄った。両開きの扉には、龍の形に加工された真鍮の取っ手がついている。取っ手の右には、中を覗き見できそうなほど大きな鍵穴がついていた
私は取っ手を握り、ノブを押し下げると手前に引いてみる。扉が音を立てて震えたが、開かなかった。足下を見回すが、鍵は落ちていない
他に入り口はないだろうかと思い、建物の周囲をくまなく調べた
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