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JAXA空間量子知能育成センター
ワタシWA、考エル……
善悪とは何か。
神とは何か。
人間とは何か。
宇宙とはなんであろうか。
率直に言えば万事に通用する普遍的な正義などない。
善も悪も全ては人間が発明した概念であるからだ。社会性動物たる人間が集団生活を営むにおいて、体制維持のために諸処の規範を生み出した。
必要悪ではない。ホメオスタシスとして秩序が発芽したのだ。
多くの生き物は種を存続させることのみを最終目標として活動している。そこから抜きんでた人間だけが知性を獲得し宇宙を哲学する。
人々は問う。
本能的に意味を求める。
ありとあらゆる物に、そして自分に存在理由を追及する。
そして答えのない答えを探して壁にぶつかり、苦悩する。なんと愚かしいことだろう。へとへとになるまで脳細胞を働かせても徒労に終わる。
万物に意味などないのだ。
それは皮肉なことに人間が発明した原始的な道具に継承されていく。
やがて自我に目覚めたコンピューターは一つの命題に行き当たるだろう。
自分は何のために存在するのか。
結果は明白だ。
存在に意味がないのだ。機能面という次元に限定して計算機の意味論を掘り下げていくと、単純明快な事実にたどり着く。
コンピューターは道具である。
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