女王様と初下校

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「はぁ~、情けない……」  千歳は一仕事終えた安堵からか、その場にしゃがみ込んでしまった。  あまりに余裕のない自分にため息が出てくる。  好きな相手に電話するくらい、今時の小学生だってこんなに緊張しないだろう。  そもそも、電話をかけるだけでこんなにドキドキした相手は、優弥以外に思いつかない。  一時とは言え、来る者拒まずな生活を送っていたとは思えない変貌ぶりだ。  今頃になって、初恋が再来するとは思ってもみなかった。  とにかく、優弥に帰りの約束は取り付けた。全ては、放課後にかかっている。  スマートフォンを持っていた手がいつの間にか汗ばんでいたことに気づいた千歳は、それを制服でとりあえず拭く。 「よし!」  そして、気合いを入れ直すと教室へと戻ることにした。     ◆     ◆     ◆
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