女王様へのご奉仕

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女王様へのご奉仕

「またか」  高瀬千歳(タカセチトセ)は届いたばかりのメールを見終えるとスマートフォンをしまった。 「千歳、何がまたなんだよ?」  千歳の呟きが聞こえたのか、今年、中等部から高等部に進学して初めて同じクラスになった瀬戸亮太(セトリョウタ)が聞いてきた。 「愛しのラブコール」  千歳がウインクをしながらそう言うと、亮太はあからさまに嫌そうな表情をする。 「女の子からしてみればお前のその顔は好評なんだろうけど、同じ男からしてみれば腹が立つし、ウインクなんてキモイ!」 (ちょっとした冗談のつもりだったのに失礼な奴だな)  今日はやたらと絡んでくる亮太を千歳が不思議に思っていると、亮太の行動がエスカレートしてきた。 「その嘘くさい眼鏡も、実は伊達だろ! 女の子の気を引こうとして、わざとかけてるんだろ!」  そう言って亮太は千歳の首元のネクタイを本気で絞めてくる。 「ちょ、ちょっと、マジに苦しいって……何なんだよ、急に」  確かに千歳は眼鏡をかけているが、それは伊達でもなんでもなく、実際に視力がよくないことは亮太も当然知っているはずである。     
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