先輩と後輩

2/6

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
後輩「ねえ、先輩。文芸部で一番イケメンの山田部長に告白したって本当ですか?」 先輩「ブフーッ! ゴホゴホッ。お、お茶が、気管に……!」 後輩「先輩どうなんですか? 部長が部活を引退するのに合わせて、告ったって聞いたんですけど」 先輩「だ、誰がそんなことを」 後輩「他の先輩たちがみんな話していましたよ」 先輩「あいつら……! 後でお仕置きだ!」 後輩「で、どうなんですか? 先輩の分際でイケメン部長に告白したんですか?」 先輩「ぶ、分際……。あたし先輩だよ!? もっと敬ってよ!」 後輩「先輩が敬えるような先輩になったらちゃんと敬います」 先輩「いや、敬えるでしょ! あたし色々と教えてあげたよ!」 後輩「うーん。覚えが……」 先輩「いやいやいや。覚えておこうよ」 後輩「具体的にどんなこと教わりましたっけ?」 先輩「え? ……えーと、ほら、あれだ」 後輩「あれって何ですか?」 先輩「ええっと……。面白い本を教えてあげたり……」 後輩「そうですね。この前、教えてもらったミステリーも面白かったです。先が気になって一晩で読みきりました」 先輩「でしょ? あのミスリードからのどんでん返しが見事でさ。主人公のキャラクターも味があって良かったし」 後輩「良かったですけど、それで先輩を敬えと」 先輩「……敬って?」 後輩「本気で言ってます?」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加