先輩と後輩

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先輩「確かに一年生の中でもカッコいい方だと思うけど、自分で自分のことをイケメンって言う人は初めて見た」 後輩「おや、一年全員の顔面はチェック済みですか。さすがイケメン好きの先輩です」 先輩「だから、顔だけみたいな言い方はやめて! わかったよ! 言うよ!」 後輩「どうぞ」 先輩「……入部したての頃に、初めての部誌で原稿が書けずにへこんでいたら、部長が頭を撫でて励ましてくれて、そこから意識するようになったら、あれよあれよと言う間に好きになっていたの」 後輩「……先輩」 先輩「何よ」 後輩「チョロいですね」 先輩「うっさい!」 後輩「小説だったら間違いなくチョロインって呼ばれてますよ」 先輩「後輩が辛口過ぎる! カレーだったら口から火が出てるよ!」 後輩「俺は中辛派です」 先輩「私もだけど今は甘口でお願いしたい」 後輩「で、そんなこんなで、好きになって、先輩は告白したわけですが……。結果はどうだったんですか?」 先輩「……それも聞くか。後輩よ」 後輩「ええ。ここが一番大事なところでしょう。今までの会話はただの前菜で、こちらがメインの本命です」 先輩「あたしは前菜でお腹いっぱいなんだけど」 後輩「俺はまだまだ空腹です。告白は成功したんですか? 失敗したんですか?」 先輩「……」
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