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「…ガリガ○君の新作はカレー味なのっ?!」
そう 叫んで飛び起きた。
自分の声に驚いて起きたんですけど、なにより内容に驚いた。俺、さっきまでなんの夢みてたんだっけ?
ガリ○リ君の新作、カレー味なの?
…あんまり食べたくねぇな。
「びびった…何…カレー味…?」
「あれ、花瀬!いたの?」
「いたのじゃねぇよ」
そもそもここはどこだ、と周りをきょろきょろ見回すと、白い天井にクリーム色のカーテンが四方に見える。
それから、独特の消毒液の匂い。
「ったく、何したら気失うようなことになんの?」
飛び起きても頭の痛まない、頑丈で健康な俺を見て一息つくと、今度は呆れたように尋ねてきた。
「なんだよ、花瀬も心配する心持ってたんだなー」
「…いいからさっさと事情を説明しろ。今度はベッドから起きれなくしてやろうか」
うへぇ、花瀬くんこあい。
まさか本気ではないだろうけど…まさかね?
とにかく、多分この事情聴取が花瀬に課せられた風紀の仕事だと思うので、素直に答えることにした。
「……と、まあこういうわけよ」
あらかたの事情を話し終えると、花瀬はそのままスマホを取り出し、電話をし始めた。
こらー、通話は外でしなさい。
隣のベッドにも人の気配があるし。
それに気づいたのか、花瀬は俺に一瞬目で断ってから、通話を始めながら保健室を一旦出て行った。
することも、話し相手もいなくなったので寝っ転がってぼーっと天井のタイル?目?の数を数えていると。
「……けが、してる…?」
「うっっっ!!いったぁ…」
いつの間にか隣のベッドの住人が、こちらに顔をのぞかせていた。
驚いてとびのいた拍子にまた頭を打った。同じとこらへん打った…痛い…。
「だ、だい、じょ…」
「あはは…すいません、大丈夫です…」
普通にダサいし普通に恥ずかしいので照れ半分に誤魔化す。
…えっ、何、なんで穴があきそうなほど見つめられてんの俺。
というか、待てよ、この途切れ途切れで片言な喋り方…。
生徒会のわんこ庶務様じゃね?
目を見開いて庶務様を見る俺と、向こうも気づいたのか、目をまん丸にして驚く庶務様と目があった。
「…お、ひる、のひと…?」
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