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そうして副会長と会長の挨拶から始まった、放送による緊急朝会は、もちろん大反響を呼んだ。
特に、俺が挨拶したときは半端なかった。
生徒会室のある棟はHR教室のある棟とは離れているはずなのに、雄叫びと『ドンガラガッシャーン!』みたいな音があちこちから聞こえてきた。
…まあ、こうなることはわかってはいたけど、まさかここまでとは。
「…まあ、こうなるのは仕方ないと言えば仕方ないですけどね。なんせ、中等部のときもこのメンバーで生徒会を回してきてましたから」
「そうなんですか…じゃ、他の人からすると俺は『おじゃま虫』って感じですねー」
そりゃあこんなに荒れますわ。
今日から背後には気をつけて歩かねば。軍人かよ…。
苦笑いで副会長の言葉を飲み込んでいると、「わっ、ちょっとぉかいちょお!」というこんな時も間延びした八神先輩の声が聞こえてきた。
なんだなんだ、と声のする方を見ると、マイクを持っているはずの八神先輩は呆れたように放送台から離れ、なぜか会長がぶんどったらしいマイクを握っていた。
『全校生徒に告ぐ。今回の緊急朝会で発表されたことは学園側、そして俺たち生徒会役員が定めた決定事項であり、変更されることはない。これより元宮は生徒会の一員だ。
どんな理由があろうと危害を加えるようなことは許されない。以上』
…やっだ、会長惚れちゃいますぅ!
という冗談は置いといて、だ。なんだよ、イケメンな顔しやがって。それはいつもか。
いつもどおりの表情でこちらに帰ってきた会長に、副会長が深い溜息を浴びせた。
「…まったく、そんなことを放送で言えば、ますます生徒が荒れるのは目に見えているでしょう」
「まあ、そうかもな。でも、一番過激で人数の多い俺の親衛隊は押さえられる。他の親衛隊は各自、もしくはあいつの親衛隊がどうにかするだろ」
「そうですけど…はぁ…」
なんだ、馬鹿だ馬鹿だと思ってばっかいたけど、ちゃんと考えて行動する人じゃないか。
「かい…朔せんぱーい、ありがとうございます」
「ああ、お前はもう生徒会の一員で、俺の部下なんだからそれくらいはしてやる」
そうして緊急朝会は終わった…が。
「…いつの間に会長と元宮はそんなに親しく……?」
という副会長のつぶやきは誰にも聞こえなかったようだ。
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