神連れ

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また、何も無い所でもよく転んだ。 そして、最大についていないのは、父の転勤だ。 元々、大阪の割と便利な所に住んでいたのに、父の転勤で 山口県の片田舎に引越しをしたのだ。 いわゆる、左遷というやつだ。 それからの父の収入は激減し、家族の暮らしはあまり裕福ではなかった。 その後、さらなる悲劇が襲う。 なんと、父の会社が倒産してしまったのだ。 父は職を失い、しばらく失業していた。 そのため、母がパートを掛け持ちし、僕たちは絵に描いたような 貧乏な生活を強いられたのだ。 やっと決まった就職口は、工場で父は今までの半分くらいの給料しか もらえなかった。母はパート掛け持ちの無理がたたって、しばらく床に伏した。 結局僕は、片田舎の冴えない大学ですら、受けることすら叶わなかった。 僕は親に金銭面で苦労をかけないよう、高校卒業し、すぐに就職し、 独立して一人暮らしを始めた。 今では、父も多少給料が上がり、母の病状も快方に向かい 実家は安定している。 だが、僕のほうは、相変わらずついていなかった。 お金を結構貸していた友人が突然音信不通になった。 友人は借金を踏み倒して逃げたのだ。 僕はなけなしの貯金を貸していたので、結局貯金はゼロになり 1日、食うや食わずの生活をしていた。     
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