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這いよるモノ
雨が激しく屋根を打ち付け、遠くでは雷の音のする、胸の奥がざわざわするような夜の事でした。
ミヒロは、雨音が耳について眠れず、一人寝具の中で、何度も寝返りをうっておりました。
身体は熱を帯び、寝具の中は蒸し暑く、外気を求めて寝具を剥ぐと、足元から、何か這いよるモノがあります。
ミヒロは、暗い中で、聞き耳をたてましたが、雨音にかき消されてしまうのか、不審なもの音は聞こえません。
しかし、暗い中であっても、『それ』はぼんやりと白く、蠢いているのがわかりました。
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