贄の儀式

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 ミヒロが、貴公子の手をとると、貴公子はミヒロを抱き寄せ、両足をかかえるようにして持ち上げました。 「あの、私は……」  ここで龍神に召されなくてはならないのです、と、言いかけて、ミヒロは間近になった貴公子の顔を見ました。  金色に輝く瞳は、およそ人のものには見えなかったのです。  貴公子は、にっこりと笑い、ミヒロを抱いたまま、滝壺へ飛び込みました。
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