ほどかれてつながる

1/13

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ

ほどかれてつながる

 ミヒロが目を開けると、紺碧の宮殿におりました。貴公子は、ミヒロを抱きかかえたまま宮殿を進み、広い寝台の上にやさしくミヒロをおろしました。  ああ、ここで、私は喰われるのだ。ミヒロは、覚悟するように手を組み、祈るように目をとじました。  貴公子の顔が近づいてきます。きっと、頭からひとのみにされるのでしょう。  しかし、ミヒロは、ひとのみにはされませんでした。  貴公子の唇が、ミヒロの唇を塞ぎました。  やわらかな感触に、ミヒロは目を開きました。目の前に、貴公子の金色の瞳がありましたが、すぐにその瞳は閉じられました。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加