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ほどかれてつながる
ミヒロが目を開けると、紺碧の宮殿におりました。貴公子は、ミヒロを抱きかかえたまま宮殿を進み、広い寝台の上にやさしくミヒロをおろしました。
ああ、ここで、私は喰われるのだ。ミヒロは、覚悟するように手を組み、祈るように目をとじました。
貴公子の顔が近づいてきます。きっと、頭からひとのみにされるのでしょう。
しかし、ミヒロは、ひとのみにはされませんでした。
貴公子の唇が、ミヒロの唇を塞ぎました。
やわらかな感触に、ミヒロは目を開きました。目の前に、貴公子の金色の瞳がありましたが、すぐにその瞳は閉じられました。
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