白羽の矢

2/2
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
 その年は、長雨が続き、幾日も幾日も、日を見る事がありませんでした。  水神であり、龍神を奉ずる滝宮の巫女であったミヒロの元に、白羽の矢が立ったのも、無理からぬ事でした。  里の娘では無く、宮に仕えるミヒロが選ばれた事を、父である神官は驚きましたが、ミヒロは、贄となる事をすぐさま受け入れました。  父には言っておりませんでしたが、兆しは既にあったのです。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!