這いよるモノ

1/3

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ

這いよるモノ

 雨が激しく屋根を打ち付け、遠くでは雷の音のする、胸の奥がざわざわするような夜の事でした。  ミヒロは、雨音が耳について眠れず、一人寝具の中で、何度も寝返りをうっておりました。  身体は熱を帯び、寝具の中は蒸し暑く、外気を求めて寝具を剥ぐと、足元から、何か這いよるモノがあります。  ミヒロは、暗い中で、聞き耳をたてましたが、雨音にかき消されてしまうのか、不審なもの音は聞こえません。  しかし、暗い中であっても、『それ』はぼんやりと白く、蠢いているのがわかりました。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加