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贄の儀式
儀式当日、ミヒロの心は、既に決まっておりました。
自分はその為に産まれたのだと、覚悟していたからです。
人の身としての幸せというものが何なのか、あまり考えないようにしていたミヒロです。
身を清め、儀式を行う滝見の露台の上で、たった一人、龍神が現れるのを待つ間も、これから自分の身に振りかかる出来事も、なるべく考えないようにしておりました。
しかし、やはり考えてしまうのです。
神に喰らわれる事の意味を。
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